うちわは古来、木製品や鳥の毛、獣の毛、ピロウ(ヤシ科の常緑高木)や芭蕉の葉で作られており、もっと大型のものになると、今の使用方法のようにあおいで涼を取るよりも祓う、かざすために使用されていました。これは、威儀、儀式、縁起、祈願、軍配、行司、信仰、占いなどのために使用されていたのだと言われています。
その後うちわは、時代と共に形や素材などが変化していき、室町時代後期になると軽くてへたらない丈夫な竹の骨組と紙を素材とする現在のうちわのようなかたちになりました。
江戸時代に入るとうちわは一般大衆の間でも広く普及し、町民文化の中でさまざまな場面で使用されていました。中でも、多色刷りの役者絵や美人画などのうちわは庶民の中でとても人気があったのだそうです。
ここで少し余談ですが、うちわと扇子の違いについて調べてみたところ、どちらも扇という漢字が使われており、特に明確な違いはないようです。現代では扇の部分を折り畳めるものを扇子とし、折りたためないものをうちわとしています。中世では扇子は公家や貴族を中心に使われていたとも言われています。